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3.はじまりの日 ページ3

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1年の頃。初めてのインターハイで、私はベンチ入りを果たした。
同じ学年でユニフォームを貰えたのは私と結だけで。
それは物凄く嬉しくて、物凄いプレッシャーでもあった。


中学からバレーをやっていて、最初はスパイカーをやっていた。
けれど中学では身長があまり伸びず
リベロを薦められたこともあったけど
私の特技はサーブだったから……。
だから初めてのインターハイでピンチサーバーで試合に出してもらえたときは嬉しかった。


それなのにそのサーブを私は外してしまったんだ。
皆がドンマイ、気にすることないよって言ってくれるのが逆に辛かった。



試合後帰りのバスに乗り込もうとしたときに、いきなり腕をつかんで引っ張られた。




「え、何!?菅原?」



男子バレー部の菅原。澤村や東峰もだけど、同じバレー部ということもありたまに話す仲。
だけど二人きりで話すのはその日が初めてだった。



「宮下、ちょっと付き合えよ」
「い、いいけどどこに?」



菅原が強引に連れてきた場所は、学校の体育館だった。



「個人練習。付き合ってよ」
「無理だよ、これ男子のネットの高さじゃん!」
「いけるって」



てっきり菅原のトスを打つのかと思ったんだけど
何故かひたすら二人でサーブを打ったんだ。




「これだけ打てば次は大丈夫だろ!」



そう言われて、菅原は私を励ましてくれたんだと気がついた。



「ありがと、菅原」



そう言うと菅原は私の手を取った。



「小さい手だなー。こんな手でいつもあんな強いサーブ打ってるんだな。すげーな、宮下は」



菅原はそのまま私の手をぎゅっと握った。




「俺も負けないからな!」



私はその日、菅原の優しさとその笑顔と手のあたたかさに恋をした。

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作者名: | 作成日時:2019年3月22日 11時

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