桜の境界 2 (ページ48)

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今考えると、俺は佐久間に酷いことをしちゃったなぁ…

それでも、俺は後悔してない

「ずっと遠い、遥か先の未来で、また佐久間と幸せに過ごしたいって。あの時佐久間と話した境界のない世界を過ごしたかったから」

ゆっくりと佐久間を引き寄せて、その肩に顔を埋めた

佐久間のポカポカの体温がじわじわと伝わって俺の体をじんわりと温める

「俺に記憶はなかったけど、佐久間はちゃんと俺のことを探して会いにきてくれた。この事実が嬉しくて、嬉しくて…」

照の言うとおり、所詮過去は過去だ

俺たちが、この世界で幸せになるきっかけの一つにすぎない

昔の佐久間のことは、もちろん大好き

でも、それ以上に"今"の俺は、"今"の佐久間のことを好きになってしまったらしい

「…っ…お、れ！！最初あべちゃんに会った時、全く覚えてなさそうですごく悲しかった。せっかく会えたのにって…！」

ぐすぐすと鼻を啜る声が聞こえる

「ちゃんと、同時に嬉しさもあったんだよ…？あべちゃんに触れて、あべちゃんのことたくさん知っていって…昔よりもいっぱい、いっぱい好きになった」

「でも、俺は昔、あべちゃんのこと倒しちゃったから…あべちゃんが過去のこと思い出したら、俺のこと嫌いになるんじゃないかって不安だった」

そんなの、なるわけないじゃん

ずっと昔から佐久間のことが大好きで、手が跳ね返されただけで泣いていたぐらいなのに

むしろ、俺の方が嫌われるって思ってたぐらいだ