桜の境界 2 (ページ45)

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春の暖かな日差しに、優しい風が吹く

ちらほらと桜が落ちてしまっていて、歩く道をピンク色に染めている

この前佐久間と一緒に見ることができなかった桜の元へ行く

そこには、桜の下に座りながらぼーっと景色を眺める佐久間の姿があった

前世に、佐久間とたくさん話した光景が頭の中によぎる

あぁ、やっぱり好きだなぁ、なんて改めて心の底から感じる

顔に散りばめられた特徴的な黒子も、大きなくりくりとした目も、筋の通った綺麗な鼻も、全部、全部

抱きつきたい衝動をグッと堪えて、佐久間の方へ行く

「佐久間、久しぶり」

佐久間に近寄って声をかけると、嬉しそうに目をパァっと輝かせて大きく手を振ってくれる

「あべちゃーん！会いたかった！！」

佐久間の声を聞くだけで、心が落ち着くような安心感に包まれる

自分がどれだけ佐久間に惚れているか嫌でもわかってしまう