桜の境界 2 (ページ44)

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佐久間に会おうと、意を決してケータイを開く

電話、はもしかしたら迷惑になっちゃうかもしれないから、メールしよう

でも、なかなかいい文章を考えられなくて、打っては消してをひたすら繰り返している

何分か考えて、これ以上は埒があかないとおもい、えいって勢いよく送った

【この前は急に行けなくなってごめん。今度一緒に、また桜見に行かない？】

【おっけー！】

メッセージを送るとすぐに既読がついて返信が来る

震える手を落ち着かせようと反対の手で包み込むが、一向におさまる気配はない

佐久間に会うことに対する緊張も、不安も、喜びも

いろんな感情が複雑に絡んでいる

でも、佐久間とちゃんと話すって、覚悟決めたから

佐久間から過去の記憶があるかどうか聞いたことないけど、舘さんの口ぶりから記憶があるのはほぼ確定でいいだろう

(佐久間、)

(俺の手、冷たくなっちゃったよ)