桜の境界 2 (ページ43)

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思い出すことが、そんなに嬉しいのだろうか

過去の約束通り、また佐久間に会えたことは嬉しいけど

「んで、阿部は何を悩んでいるの？」

「実は、俺と佐久間は前世で出会ってて…言葉にすることはなかったけど、多分お互い好き同士だったと思う。だから、佐久間が今俺と付き合ってるのは過去の延長線上なんじゃないかな…って思っちゃって」

佐久間が見ているのは、今の俺じゃなくて過去の俺なのかもしれない

そう思うと、悲しくて、佐久間とどんな顔で会えばいいのかわからなくなる

「阿部は過去に囚われすぎ。ふっかもそうだったんだけど、所詮過去は過去だよ。俺たちには今の生活があって、今を生きてるんだから」

「そうだね。俺には、過去に何があったのかは分からないけど、今の佐久間はよくここにきて阿部の良いところを昔より沢山見つけたんだって話してくれてるんだよ？」

「…そ、っかぁ。うん……」

俺の考えすぎだったのかもしれない

2人の言葉に、思わず涙が出てしまう

俺を撫でてくれる2人の手が暖かくて、安心する

俺もちゃんと佐久間と向き合わなければいけないな

ちゃんと向き合って、話をしたい

そう思うと早く佐久間に会いたくて

会って、あの温もりに触れたい

今度こそ佐久間の横に

そばに、居させて