桜の境界 2 (ページ40)

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調子の乗らない体に鞭を打ち、無理やり体を動かして舘さんのカフェへ向かう

ここ最近、何かと理由をつけて佐久間と顔を合わせていない

なんとなく佐久間に会う気になれなくて、誘われても断ってしまっている

本当は会いたい

俺たちはまた出会えたんだねって言いたい

でも、過去の記憶がなかった頃の俺を否定されてしまうようで怖いんだ

佐久間が本当に会いたかったのは、過去の俺であって記憶のない俺じゃないんじゃないかって思ってしまって

こんな事になるなら、何も思い出したくなんてなかった

重い気分のまま、ギィ…と音を立てながら木製の扉を開ける

「よっ、阿部」

「照と2人でカフェなんて久しぶりだね。今日はなんで誘ってくれたの？」

「確かに、高校以来かも。久しぶりに阿部と話したかった」

照とは同級生ってこともあって、話は合うし話しやすいし、すごく楽しい