桜の境界 2 (ページ38)

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最後にもっと佐久間を感じたくて、震えながら佐久間に手を伸ばす

佐久間は俺の手を掴み、自分の頬に持っていく

『あべちゃんっ…！！あべちゃん！！』

『さくまは、…あったかい、ね…？』

佐久間の涙がボロボロと俺の顔に落ちてくる

『ねぇ…ｯ……わらってよ。俺ね、さくまのわらってる顔が、…だいすきなんだぁ……』

大きな瞳を細めて、ふわりと優しく笑う佐久間が大好きだった

それを見るだけでドキドキしちゃうし、安心する

『ゲホッ…ｯ…』

あーあ、もう、本格的にダメみたいだ

望んだのは、自分だけど

やっぱり寂しいなぁ…

佐久間と話した穏やかな日々が、頭の中を駆け巡る

『ごめんねあべちゃん…絶対来世で見つけるから…』

どんどん薄れていく視界

『__________________大好きだよ…』

完全に目を閉じる前に

春のようなポカポカの体温を感じながら

俺の大好きな、佐久間の笑顔が見えた