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いつも通り、本を持って桜の元へ行く
今日は珍しく、佐久間が先に来て座っている
こちらに気づくとパァッと目を輝かせて、大きく手を振ってくる
『あべちゃーん！遅いでやんすよー』
『ごめんね。仕事溜まってて』
『でもちゃんと来てくれたから許す』
多分最初から怒ってはいないだろう
2人の間を流れる空気は何にも変えられないほど輝いていて、穏やかだ
何気ない話に盛り上がって、たくさん笑い合って
だから、忘れていたんだ
『あ、佐久間、髪に……っ…！！』
ふわりと風が吹き、佐久間の髪に桜が落ちたのを取ろうと手を伸ばしたけど
バチリと、
その手は跳ね返されてしまった
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作者名：しあ | 作成日時：2023年11月18日 8時
