桜の境界 2 (ページ24)

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『秘書って、忙しいんじゃないの？ここにいても良いの？』

『今は主人に最近働きすぎだって怒られちゃったから、強制的に休まされてるの』

『へー、優しい人なんだね』

昔から兄弟のように育てられて、気心の知れた仲ではある

仕事中はしっかりと立場を弁えているけど、それ以外で敬語を使うとすぐ拗ねる

『うん。自分の方が忙しいくせに、しっかりと周りを見てるやつなんだ』

『いいね、いつか俺も会ってみたいなぁ』

『あはは、佐久間と気合うかな？笑』

普段は筋肉と甘いもののことばかり考えてる人だけど、案外良いコンビになったりするのかなぁ

最初こそあんなに警戒していたものの、あっという間に佐久間とは打ち解けた

人と話すことを楽しいと思うのは久しぶりだ

『あ、そろそろ時間だ…行かなきゃ』

『そっか。ねぇ、また明日、ここであべちゃんに会える？』

『うん、会えるよ』

そう言うと、佐久間は大きな瞳を細めてふわりと嬉しそうに笑う

その瞬間、ドクリと俺の胸が大きく音を立てたような気がした