桜の境界 2 (ページ21)

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長い沈黙が流れ、ちょっと気まずさを感じてしまう

嘘でも同じっていうべきだったかな…

『…ねぇ、君の名前は？俺は佐久間大介』

『えっ……阿部、亮平』

じゃああべちゃんね〜なんて、勝手にあだ名をつけて呼んでくる

『俺ね、自由にいろんな所に行きたいんだ』

突拍子のない会話だったから戸惑ってしまう

佐久間は空にその白い腕を伸ばし、そのまま俺に語りかけてきた

『もっと広い世界を見たいの。こんな狭い所に閉じ込められて窮屈。いつかこの桜の向こう側に行けたらいいなーって思いながらそっちを眺めるのが好き！ここじゃない所の妄想が膨らむんだよね』

まっすぐな、キラキラとした瞳でこちらを振り向く佐久間は眩しくて

『だからさ、そっちの世界のこと、あべちゃんが俺に教えてよ！』

俺も、歩み寄ってみようと

佐久間の世界を知りたいと

思ってしまったんだ