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ふに、と柔らかいものが唇に当たる感覚があって、それが佐久間の唇であることもすぐにわかった
「さく…っ…」
「黙って」
佐久間の名前を呼ぶことすら叶わず、何度も角度を変えてキスされる
口をこじ開けられ、思わず声が漏れ出てしまう
「ん……っは………ぁ……」
息が苦しくて、でも幸せで
なんだか胸がいっぱいになる
佐久間の前髪からチラリと覗く熱を帯びた瞳に、食べられてしまう、と本能で感じる
きっと今日はもう帰れないんだろう
タクシーも、ホテルの話もなしかな
ちょっぴり恥ずかしいけど、佐久間の首に腕を回して精一杯誘う
「…佐久間でいっぱいにして」
佐久間はふにゃりと笑って、もう一度2人の唇が重なった
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作者名：しあ | 作成日時：2023年11月18日 8時
