桜の境界 (ページ10)

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急いで着替えて出かける準備をする

待ち合わせ場所として指定された所へ向かうと、もうすでに佐久間は居て

俺のことを見つけると、満面の笑みで大きく手を振りながらこちらに近寄ってくる

「あべちゃーん！会いたかったー！！」

嬉しそうに俺にに抱きつく佐久間

驚いて少しよろけてしまったけど何とかバランスを崩さずに受け止められた

「んふふ、会えて嬉しい！…あべちゃんあったかいねぇ」

「急いできたからかな？ちょっと汗かいちゃってるかも」

今は暑いような寒いような微妙な季節で、服を選ぶのが難しい

少し走ったせいで背中にはじんわりと汗をかいていて恥ずかしい

変な匂いしないかな…臭いとか言われたら悲しいし

佐久間の体温もあってか、さらに体がポカポカとしてくる

どこかで感じたような、暖かさ

佐久間は俺の胸に顔をぐりぐりと押し付けて抱きついたままだ