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共通の趣味なんて一切なかったけど
何故か佐久間とはすごく気が合い、この数時間で仲良くなれた気がする
心にぽっかりと空いた穴が塞がれていくような、そんな感覚があって
秋なのに春の暖かさを感じさせてくる
不思議な人
「佐久間、もう時間だ。行かなきゃ」
「ありゃ、本当だ」
もう行ってしまうのか、と悲しくなる
あ、と言いながら突然佐久間は後ろを振り返ってこちらにズンズン近寄ってきた
「ねぇ、もしよかったら連絡先交換しない？俺、またあべちゃんに会いたい」
「あ、うん。いいよ。これが俺の連絡先ね」
スマホには【さくま】と書かれた名前と猫のアイコンが表示された
猫、好きなのかな
何故か気になるあの人
俺は、もう帰ってしまった桜のような彼に思いを馳せた
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作者名：しあ | 作成日時：2023年10月18日 7時
