桜の境界 (ページ43)

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目を開けると目の前には佐久間がいて、自分が抱きしめられていることに気づく

ポカポカの体温で再び俺の眠気を誘ってくる

(っていやいやいやまって？？！！)

ガバッと身体を起こして状況を確認する

佐久間に好きと伝えてからあんまり記憶がない

てかここはどこなんだろう

混乱していると、部屋の扉がガチャリと開けられた

「あ、おはよう阿部。もう身体は平気？一応朝ごはんあるけど…」

部屋に入ってきたのはまさかの舘さんだった

「お、おはよう。ここ、もしかしてお店？ごめん、俺記憶があんまりなくて…」

「あぁ、ここは店の2階にある俺の家だから、ゆっくりして大丈夫だよ」

「うわわわ、ほんとごめん！！ベッド占領しちゃってるし、急に泊めさせてもらうなんて…！」

「ふふ、気にしないで。俺はしょうたの家に行ってたから問題ないよ。体調悪い人を家に返す方が大変だろうしね」

舘さんの優しさが疲れ切った俺の心に沁みる

今度何かお礼しないといけないなぁ

そんなことを考えていると、俺のお腹がぐぅと鳴った

「…朝ごはん、いただいても良い？お腹空いてきちゃった」

「うん、いっぱい食べて元気出して」

舘さんはにっこりと嬉しそうに笑ってくれた