桜の境界 (ページ42)

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でも、いつまで経っても衝撃は来なくて、代わりに大好きな体温を感じる

「まだ起きあがっちゃダメでしょ。無理しようとするから」

「…さくま、行かないで………そばにいてよ」

今ここで佐久間とお別れしたら、絶対後悔する

ちゃんと、伝えないといけない

「好き、さくま。俺も好きだよ」

佐久間は一瞬驚いた表情をしたが、すぐにその大きな目を細めてふわりと笑う

「にゃはは、すっげぇ嬉しい…」

佐久間の肩口に顔を埋めてぎゅうぎゅうと抱きしめる

今は、佐久間だけを感じていたい

こんなにも幸せなのは、久しぶりだ

「んふ、本当にあべちゃんはあんまりあったかくないねぇ…俺子供体温だしよく動くから、いっぱいあっためてあげる」

どこかで聞いたことあるセリフだなぁ、なんて思いながら、疲れが溜まりまくった俺の体はもうとっくに限界を迎えていて

そのまま自分の重たい瞼を閉じた