桜の境界 (ページ38)

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流石にここまで心配されるなんて思わなくて驚いてしまう

ぐずぐずと泣き止みそうに無い佐久間の背中を優しく撫でる

「あべちゃん…っ…俺の前から消えないで…！俺は、もう2度とあべちゃんを失いたく無いよっ………！！」

"もう2度と"

そう言った佐久間の言葉に少し引っかかった

俺は、1度佐久間の前から消えたことがある？

まだ病み上がりで頭が回らなくて混乱してくる

俺が始めて佐久間と会ったのは、照がカフェにいた時で……

(っ…あ、たま痛い……！)

呼吸が乱れて、息が苦しくなる

「あべちゃん…？だ、大丈夫？落ち着いて、ゆっくり深呼吸しよ」

佐久間に合わせてゆっくり息をする

その間ずっと手を握って背中を撫でてくれていて、やっと呼吸が落ち着いてくる

「ごめ…っ…」

「大丈夫、大丈夫だから」

汗ばむ身体が少し気持ち悪い

早く帰ってシャワーを浴びないといけないなぁ

「ねぇ、あべちゃん」

完全に落ち着いて、しばらくすると佐久間に名前を呼ばれた