30 ページ31
・
『ねぇねぇ、____の平熱は?』
『なんでそんなこと聞くの、笑』
『だって、どんな暖かさなんだろうって気になるじゃん?』
いつものように、桜の木下で話し合う2人
絶対に、2人が近づくことはなくて
お互いの体温さえ確かめることができなくて
『みんなと変わらないよ。あ、でも俺は冷え性だからそんなに暖かくない』
『えー、そうなの?じゃあ、俺が温めてあげる!俺子供体温だし、よく動くし、めっちゃあったかいから!』
無邪気に笑う笑顔と、桜色の髪の毛が大好きで
でも、伸ばす手は彼に触れる前に弾き飛ばされてしまう
『どうして俺たちには、壁があるんだろうね』
ポツリと呟くと、彼は寂しそうな顔をする
そよそよと髪が揺れて、彼の顔を隠してしまう
『なくなるよ、こんな壁』
・
『なくさなきゃ、いけないんだ』
193人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:しあ | 作成日時:2023年10月18日 7時