桜の境界 (ページ29)

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「んで？なんでそんなため息ついてるわけ」

「しょうたが気にかけてくれるなんて珍しいじゃん。教育に忙しいんじゃないの？」

「だいぶ覚えてきたし、そろそろ自立してもらわないと困る。それに、店にため息ついてるやついたら辛気臭くなるだろ」

気分屋なしょうたがこんなこと言うなんて珍しい

でも、実際しょうたはかなり頼りになるから、遠慮なく頼らせてもらおうかな

「実は、好きな人ができて。でも、その人は男の人でさ。しかもこの前女の人と歩いてるの見かけちゃって、お似合いだなって思ったんだよね」

「んだよ、そんなことでため息ついてたのかよ」

酷い、俺は真剣に悩んでるのに

そんなに簡単なことじゃないって思ってたのに、しょうたにとったらそうでもないことらしい

「性別なんてどうでもいいだろ。そんなん言ったら俺たちだっ…て、あ、いやなんでもない…！！」

「俺たち…？？」

顔を真っ赤にして忘れろ！って言ってくるからますます怪しく感じる

ジャスティスの予感がするけど、これ以上言うときっと怒られるからやめておく

「と、とにかく！相手が誰だか知らねーけど、そんなに思い悩む必要はないんじゃないの？」

「いやいや、悩むでしょ」

彼女持ちの人にアタックするとか流石にできないし、勝ち目もないし