桜の境界 (ページ23)

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朝から一息つく間も無くせかせかと働いて、やっと休憩の時間になった

なんで今日こんなに忙しいんだよ、と心の中で悪態つきながらご飯を食べる

すると、後ろから気が緩むような柔らかい声で話しかけられた

「阿部ちゃ〜ん、お隣よろしい？」

「あれ、ふっかじゃん。どうぞ」

ラーメンを持って俺の横に座り、ずるずると勢いよく食べていく

「ふっかはいつもこんな時間なの？」

「んー、まぁそうね。阿部ちゃんこそ珍しいじゃん」

「午前になんかあるらしくて。よくわかんないけどみんなバタバタしてたんだよね」

午後からはきっとそんな忙しいはずじゃないし、ちゃんと定時で帰れるはず

もうすぐクリスマスだし、きっと他部署でゴタついたのが影響したんだろう

「あ、そうだ！仕事終わったらさ、久しぶりに遊ばない？」

ふっかの急すぎる提案に思わず目を丸くしてしまう

そんなこといつも言わないのに

ふっかと遊んだ(とは言っても飲みに行くぐらい)のなんて、ふっかが他部署に移動してからは全くない

「ね？行こうよ。ちょっと相談乗って欲しいんだよね〜」

「なにそれ、惚気は聞かないから」

「まぁまぁそう言わずに。じゃ、また仕事終わったら連絡するわ！」

相変わらずちょっと強引

でも、ふっかが相談なんて珍しいし、仕方ないから聞いてあげるか

そう思って残りのご飯をかけ込んで仕事に戻った