桜の境界 (ページ3)

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憂鬱なまま出かける準備をする

特に何かする予定はないけど、外の空気を吸いたい気分で

少しでも頭をスッキリさせたい

やる気を上げるためにお気に入りの服を引っ張り出してきて着替える

まだほんの少しだけ夏の暑さが残る秋

外にはちらほらと葉っぱが落ちていて、歩くたびにカサリと音が鳴り響く

木製の少し古びた扉を押し開けて目的の場所に入る

「こんにちは」

「いらっしゃい、久しぶりだね」

「うん。最近ちょっと忙しくって」

去年から舘さんが店長の座を引き継いで、再スタートしたこのカフェ

今日もお客さんがたくさん来ていて賑わっている

「いつものでいい？」

「うん、お願いします。あはは、なんかもうすっかり常連さんって感じになっちゃった」

昔からの知り合いとはいえ、頼むメニューを把握されるぐらいにはよく来ている

このカフェは落ち着いた雰囲気に舘さんの好きな花がおしゃれに飾られているから、疲れた時とか静かに本を読みたい時とかにちょうど良い