桜の境界 (ページ13)

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連れてこられた場所はプラネタリウムだった

俺は星座や惑星に興味を持っているから、俺の好きな場所の一つだった

しかもここは最近できた場所で、いつか行こうと思っていた所だ

「ここ、ちょうど来たかった場所だ」

「…にゃは、ほんと？良かった。俺も、あべちゃんと一緒に来たかった」

優しく笑う佐久間はやはりどこか儚い

なんだか遠い何かを見ているようなのに、

今の俺をしっかりと見つめていて、その大きな瞳と目が合う

俺、星好きとか言ったかなぁ…？

多分偶然なんだろうけど、好きな場所に佐久間と来ることができて嬉しい

喜びと同時に、突然キーンとするような頭痛が俺を襲った

『この境界がなくなったら、___と星見たいなぁ』

『俺、星の事全く知らないよー?』

『一緒に見るのが良いんだよ。星の名前とかだって、俺が説明すれば良いでしょ?』

『じゃあ、やりたいことが一個増えたねぇ』

突然の頭痛と共に流れ込んできた光景

夢の2人の会話を寝てる時以外に見るのは初めてで驚く

2人で未来の話に花を咲かせて盛り上がっていた

彼らのやりたいことが今から俺たちがすることと似ていて、どこか他人事のようには感じられない

優しく揺れる桜色の髪の毛は、まるで目の前の佐久間のようで

同じ人なんじゃないかって錯覚してしまいそうになる

「あべちゃん？ど、どうしたの、大丈夫？？」

少し焦り気味で俺に聞いてくる

そりゃ突然頭抱えてしゃがみ込んだらびっくりするよね、ごめん

「…大丈夫。始まっちゃうから急ご？」