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部屋に戻ると皆絶望的な顔をしていた
そりゃあそうだ、死ねと言われているようなものなんだから
俺たちが死んだらまた次の隊、その隊が死んだらまた次の隊と終わることはないんだろう
いつAに会えるのだろうか
いつ笑歩をこの手で抱けるのだろうか
そればっかり考えていて敵の空母に突っ込む事なんか全く考えていなかった
それからして瞬く間に特攻の話は広がった
耳にした兵達は嫌だと嘆き酒を煽っては"嫌な事"を流した
自分で引き受けるって言っちまったもんな
Aに会ったら最後は漢らしく散っていこう
「…切島ァ…もう一本…！」
最近上鳴がヤケ酒をするようになった
今もこれで4本空にした
「流石に飲みすぎじゃねぇか？そろそろやめとけ」
そう肩に手を置いたその時、手を弾かれた
それと同時に胸ぐらを掴む上鳴の手
「…んでお前は平気そうな顔してんだよ…！！！
死ぬんだぞ！？もう自分の女にも子供にも会えねぇんだぞ…！？」
上鳴は泣いていた
初めて聞いた上鳴の怒鳴り声
温厚な性格をしてるこいつからは想像もできなかった
「…俺が死ぬのはまだいいんだよ…っ…でも…女もいて生まれたばっかの子がいるお前が死ぬのはっ……あんまりだろうが…」
そう言いながら胸ぐらを掴んでいた手を離し、力をなくすかのようにその場に座る
俺も静かに上鳴が座っている横の椅子に座る
「そんなこと言っちまったら終わりだろ
この数年間で何十万人って人が戦死した、そん中には奥さんがいて子供がいて母がいて父がいて兄弟がいて 独り身のやつなんていないんだ。
お前が死んだらすごい悲しむ人がいる。それは俺たちの隊の奴らもそうだし皆同じだ、自ら死にたくて死んだ奴なんていねぇんだ、皆守りたい人がいるから、笑顔を守りたいから自分の気持ちを押し殺して戦いに行く
俺たちはそんな奴らの気持ちを受け継いで戦うんだよ この戦争はリレーだ、俺たちが死んだら次の奴に託すんだ、そしてそのゴールが
希望が満ち溢れる、やりたいことができる、そんな未来だ
守りたい人がいるからこそ俺は死にに行くんだ」
「切島……やっぱお前にはかなわねぇ…漢の中の漢だ」
「俺は漢を目指してるからな、
もし俺が死んだ時は…上鳴、お前に頼みてぇな」
「何言ってんだ、お前が死ぬ時は俺も一緒だっての」
「ははっ、そうだな、一緒飲もうぜ」
俺も上鳴と一緒に飲んだ
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桜井直（なお）(プロフ) - 続きです。戦争の事をよく知らない人たちにも、広めたほうがいいなと思うような作品でした。大好きで大切な作品になりました。 (2023年2月4日 11時) (
レス) id: f84b7d123d (このIDを非表示/違反報告)
桜井直（なお）(プロフ) - 今、小学校の社会の歴史で原爆のところを勉強しています。そのときは、日本が負けたとか大勢の死者が出たなど、しか教えれられなかったのですが、この作品を見たら、戦争って悲しいくて悲惨なんだなって思いました。この作品に出会えてうれしいです。 (2023年2月4日 10時) (レス) id: f84b7d123d (このIDを非表示/違反報告)
瞳子 - この小説で戦争の悲惨さを改めて感じることができました。今の社会では、戦争を行ってしまうのも仕方がないという考え方もありますが、やはり戦争は行いたくないですね。この作品を投稿していただきありがとうございます。私の大好きな作品になりました。 (2023年1月26日 16時) (レス) @page31 id: 81e852d89e (このIDを非表示/違反報告)
未麟 - なんだか戦争を見てきたようでびっくりしました。それと同時に、私たちがこんなに笑って過ごせているのはかつての人の努力のおかげなのだと感じて、言葉にできない思いでいっぱいです。この作品を世に出していただきありがとうございます。 (2020年7月31日 21時) (レス) id: d440222276 (このIDを非表示/違反報告)
ﾏﾌﾕ - アスパらがすさん、このお話を作ってくれてありがとうございます。今の時代は平和となっておりますが、昔はこんな風に愛する人をそして愛する人の御友人が亡くなるといことかが当たり前でしたのね。今では考えられませんが、こんなにいい作品をありがとうございます。 (2019年2月22日 23時) (レス) id: a3f8b2e990 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アスパらがす | 作成日時：2018年8月15日 1時
