36 WZside ページ36
「あれ Aちゃんじゃね？」
スニョンの声に反射的に顔を向けると、本当にいた。エスカレーターの下の階、友達と楽しそうに歩くあいつの姿。
それを見ただけで口元が緩むのが自分でもわかった。ハッとしてスニョンを見て、俺は一つのことに気づいた。
「……なんであいつの名前知ってるんだ？」
「だってジフナと仲良いじゃん。声かける？」
なんだその理由、全く答えになってない。
そんなツッコミは心の中に留め、声をかけるかという提案にはNoの意を込めて首を横に振った。
スニョンは意外そうに口を開いた。
「え？何で？聞こえるだろこっからなら」
「いいって絶対すんなよ」
「何でだよーだっていい感じなのに勿体ねーって」
「だから、さっきからなんだよそれ。勝手に決めんな」
いい感じとか仲良いとか、くすぐったい。こんな奴のからかいに反応しないように気を張ってる時点で、意識してるんだってことを身を持って感じた。絶対言わないけど。
ところが、次にスニョンが言った言葉は予想していた物では全くなく。驚きのあまり耳を疑うようなものだった。
「だって俺見たもん。花火の時あの子クラスの奴に告られてて、好きな人いるからって言ってた。それってお前じゃねーの？」
「、は？」
知らない事実に動揺を隠せない。
花火の時っていうのは、俺が帰りに送っていった夏休みの出来事だろう。あの時点で、誰かに告白されてたなんて、全く知らなかった。
急に胸がざわつく。
「…ってか、そんなん言ってたのか……それ、普通に考えて理由づけとかであって、俺じゃねーだろ。クラスの奴とか」
「でも俺、あの子、ジフナのこと好きだと思うんだけど」
「だから…何でそう思うんだよ」
こんなのはこいつの適当だ。
テストの山すら当てられたことのないスニョンの言うことなんて、真に受けるだけ無駄だって思うのに。見たらわかるじゃん、なんて言われてしまった。わかんねーよ。
「もう、早くくっつけよー！それにお前も好きなんだろ？」
「なっ…！そんな事言ってねえよ」
Aの事は、確かに、気にはなってた。
素直だし、才能があるし、居心地が妙にいい。
だから音楽室で待ち合わせしたり、お気に入りの店を教えたりした。姿が見えると、嬉しいと思った。
きっとAも同じだと思う。
でも、その気持ちに向き合おうとしたことは、無かったと思う。このままいるのが、居心地が良くて。
スニョンのいう事だし、まるっきり信じているわけではない、けど
もし、そうだったら……？
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NK(プロフ) - すごく楽しく読ませていただきました！主人公がすごく可愛くて、ウジさんの少しツンとした喋り方もスっと入ってきて、読んでいてもどかしくもドキドキで胸が熱くなりました……とても好きです……！陰ながら応援しております。 (2021年7月20日 23時) (
レス) id: e1c6fa8330 (このIDを非表示/違反報告)
みほ(プロフ) - コメント失礼します！ウジくんとのお話キュンキュンしながら読ませていただきました！続きが読める日を心待ちにしてます！ (2020年11月2日 19時) (レス) id: 00846102a7 (このIDを非表示/違反報告)
葵唯(プロフ) - すごくキュンキュンしながら、読ませていただきました！更新がんばってください！ (2020年10月25日 8時) (レス) id: d29e67c0f9 (このIDを非表示/違反報告)
ヘジュン(プロフ) - コメント失礼します！お話すごく面白くて読むのがとても楽しいです！ずっと応援してます！頑張ってください！！！ (2020年6月7日 22時) (レス) id: 63eeaaeb0a (このIDを非表示/違反報告)
モノトーン - はじめまして！このお話、とっても可愛いくて大好きなんです！上手く言えないんですけど、もう、ほんとにドストライクでさいこうです！！更新応援してます！無理せず、頑張ってください！ (2020年4月25日 12時) (レス) id: ec5d80a5b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mi | 作成日時：2017年4月16日 13時
