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『じゃあ、待ち合わせは校門前にしよう。また、騒がれたら面倒だから』
そう言って昨日はAちゃんと約束した。
まるで二人だけの秘密を作るように指切りを交わして、今現在も少し浮かれている自分がいた。
「まーしぃ！この後なんかあるの？」
「えっ、な、なんで？」
「いや、ソワソワしてるっていうか」
こういうところだけ変に目ざとい坂田が校門まで行く間、俺に会話を振ってきた。うらたさんだけ真面目にテスト勉強をするとかで放課後図書室へ行ってしまった。最近妙に勉強熱心というか、図書室に通いつめていると言ってもいいかもしれない程、うらたさんは最近付き合いが悪い。
毎月25日に全部活が休みになる今日。
俺たち3人うらたさんを残して素直に帰っていた。
「べ、別にそんなことは……」
「あれ？あの子って」
センラの言葉に俺も坂田も声を向けた方に目をやった。
両手で鞄と紙袋を握りしめ下を向いて待っている女の子。その子が1番に目が入ってしまうくらい、周りの人達はぼやけて見える。俺の視力に合わせた度が入っている眼鏡をかけているはずなのに、俺の視界にはAちゃんしか入ってこなかった。
「もう元気そうやねー」
「なになに！？まーしぃ、今日デート！！？」
「野暮なこと聞くなって、さかたぁー。デートに決まっとるやん。ねぇ？？」
「……まあ、そんなとこ」
「ゑ"っ"！！！？」
驚く2人を置いていって、1本。真っ直ぐAちゃんの方へと向かう光の道を歩いていく。導かれるように。誘われるようにAちゃんの元へと向かえば、俺の事に気がついてくれたのか2つに結んだ髪を揺らしながらこちらを向いた。
その笑顔がすごく、すごくかわいくて。
それで────……。
「あ、志麻せんぱい。えっとその……。ジャージ、ありがとうございました」
どうぞ。と照れながら紙袋を渡してくるAちゃん。そういえば昨日、貸していたんだっけと思ってしまう程、遠い昔のように感じていた。受け取った時にふわりと感じる柔軟剤。自分とは違うその匂いが嗅覚を刺激する。
「え。わざわざ洗濯までしてくれたの？ありがとう」
「あ、当たり前ですよ……、あの、えっとその……」
妙に歯切れの悪いAちゃんの言葉とさまよう視線。不思議に思いそちらを向くと後ろを追ってきた坂田とセンラがニヤニヤと口元を緩ませていた。
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違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はる - 初コメ失礼します!!この小説大好きです!!これからも頑張ってください!!応援しています!! (12月4日 23時) (
レス) @page20 id: 41084e4d77 (このIDを非表示/違反報告)
りょくちゃ(プロフ) - 続編待ってました。前回もドキドキしましたが、今回は切なくてキュンキュンしっぱなしです！更新楽しみです！！ (2021年10月4日 17時) (レス) id: f217387575 (このIDを非表示/違反報告)
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