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「あ、今日一限目美術だ〜」
朝礼を終わらせた後東棟校舎に向かう中、望ちゃんはルンルンとした声で浮き足立っていた。
「まふまふ先生イケメンだから目の保養なんだよね〜」
「望ちゃん、前から言ってるよね」
「だってー。教え方丁寧だし、アドバイスが的確っていうか…！いやぁ、彼女いないのが不思議でならない…」
保健室にいるそらる先生の一個下で、美術を担当しているまふまふ先生。白い髪に赤い瞳、丸い縁の眼鏡に絵の具のついたエプロンをしているまふまふ先生は、優しくてなんというか雰囲気が柔らかい先生だ。
黒髪で青い瞳のそらる先生とは真反対の色彩なのに、二人で良く一緒に居る印象だ。そんな二人を見て生徒達は「また二人で話してる」「なんか、二人の世界ってあるよね」「まあ、見てるだけで目の保養だからなんでもいいんだけどさ…」なんて話していた気がする。
まふまふ先生が新任の頃、そらる先生が教育係になってたって聞いたことあるけど、そのおかげで仲良いのかな……？
「今が楽しいのかな…？」
「え、成人男性が恋もせず楽しいってどうかしてる」
「そ、そういう人も居ると思うよ…？……恋より仕事がしたいとか…、後友達とかと遊びたい？とか…」
「えー。そんなの何もつまんないじゃん。男と女がこの世に居るのに……恋をしない理由は何。……！！もしかしてそらる先生とまふまふ先生がそういう関係…！？」
「え？え…？ど、どういう事？」
恋愛の話になると熱が入る望ちゃん。たまに一人で暴走しちゃうこともあるけど、悩んでる女の子に的確なアドバイスをしてる気がするし経験談も多いみたいだ。多分恋話とか好きなんだろうなぁと思って聞いてたんだけど、今のは全然分からなかった。
「いや！Aにはまだ早いかも……！」
「は、早い…？」
「今の忘れて！いい？？」
「う、うん……」
「真面目な話すると、女の子の方が気が引けちゃうのかもねー。あんだけイケメンだと『可愛い子じゃなきゃ』って意識しちゃいそう」
「確かに…、それはあるかも」
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