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「……なんか俺について言ってた？」
「いや、特に何も」
淡々と答えるセンラの言葉にため息をつきながらその場にしゃがみこみ。どうしたもんかと頭をむしゃくしゃかきながら、Aちゃんの間に出来た距離をどうやって縮めるかを悩んでいたのだ。
「はーー……」
「え、え。ちょ、なに」
「いや、なんかさ…、こう。妙に距離取られてる感じして………。LINEは結構毎日してるんだけど」
「毎日してるんや…」
そう。毎日。
なんというか会話が繋がっているから変に切れないと言うのもあるんだろうけど、単純にAちゃんとは話が合う。それにもしそうじゃなくても反応がいちいちかわいいのだ。
バレー部での練習はこんなんだよ。と何気なく返した返信に対して「プロと同じような練習するんですね」「それを毎日なんて、すごいです」なんて着目点がおかしい文が返って来る。多分本人はそういうの全然意識してないと思うんだけど、若干天然が見え隠れする所に可愛いなと思ってしまうのだ。
それでもって「部活で忙しくありませんか？」なんて心配もしてくれるもんだから、最近の癒しはこれになってきてる。
「初めて会った時はちょっと素っ気ないっていうか。話するのとか苦手みたいな雰囲気だったけど、それでも結構仲良くなったと俺は思ってて……。
………もしかして怖がられてんのかなー」
「えぇ！？それはないんじゃない？？」
「いや！わかんないじゃん！！ただでさえ先輩って存在が何となく怖いじゃん！！」
あの変な威圧感と言うか。
なんか一個二個年齢が上なだけで権力の差というか、下を踏み潰してやるぞみたいな面して生きてる先輩とかたまに居るし。そう思ったら普段女子と喋ることない俺なんてめちゃくちゃ怖く見えるんじゃ……と思ってしまった。
「ま、まあ確かに？」
「ほらぁ！！！」
苦笑いしながらちょっと納得するセンラにどーしよー！！と肩を揺らす。ブンブン前後ろに揺れるセンラがガチめな声で「やめて」という声が出てきて動かすのを止めた。それでもこのソワソワ感はどこにも逃げていかなくて、余計にどうすればいいのかわかんなくなった。
「でも普通怖かったらLINEしないんじゃない？」
「……確かに」
「もっと別の理由があるのかもしれないよ？」
「別の……」
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