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「あ、ちょ、話変わるんだけど。これ。なんて返せばいいと思う？」
「え？『今日は、ありがとうございました。』って……。えぇ！？まーしぃが連絡先交換したん！？？」
「まって。めっちゃ声でかいから」
「ごめんごめんごめん」
センラの一言で駅から出てきた人達全員から軽くチラッと顔を確かめられるように見られた。んんっと咳払いをしてからセンラは「ちょっと、え、質問してもいい？」なんて恥ずかしがりながら言ってきた。
「何？」
「え、……その…、しまくん、この子のこと好きになったん？」
「…………は？」
「え、いやだってさぁ、今までこんなんなかったやん。なんか割と本気で好きになった子なんかなーって。そしたらなんか、弄っちゃダメなやつだなーと思って」
「いや！…好きになったとかじゃないけど。可愛いし、普通にいい子だし、それに」
「それに？」
「……話しやすい子だから」
空気とかオーラってあると思う。「この子なら仲良くなれそうだな」みたいな話しかける前の直感ってあると思う。それがAちゃんは凄く強くて、仲良くなりたいなと単純に思ったのだ。
「話しやすい子かー……。人見知りのしまくんが珍しいなー」
「自分でも思う」
「で、なんて返せばいいかわかんないと」
「そういう事です」
自称恋愛マスターとなのるセンラにアドバイスを貰おうと「教えて！」と可愛子ぶりっ子の声で言えば笑いながら「キッショー」と言われてしまった。
「え、普通に『こっちも楽しかった！ありがとう〜』みたいな？」
「え、そんだけでいいの？」
「それ以上何を言おうとしてんの？？」
それが分からなかったから聞いたつもりだった。センラが出した答えは案外俺が考えていたのと似ていて、やっぱり最初ってそんなもんなのかと一人で納得する。
「ありがとう。これで送るや！」
「うん。あ、おれこっちやし、また明日ねー」
「はーい！じゃーねー！」
センラと別れて、送信ボタンを押す。
その日から、AちゃんとのLINEでのやり取りが始まった。
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