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「今日の放課後暇？暇ならコレ行きたいなって」
「……スイパラ？」
「そー。この子がくれたんだよね」
「この子？まーしぃ、女の子の友達居たんだ」
じっと彼女を観察するうらたさん。
友達とは違うけど……、そういえばまだ名前も知らないし。
「ぁ、違います。……昨日助けて頂いて、そのお礼に…」
「あぁ、そうなんだ。俺うらたぬき。君の名前なんて言うの？」
「え、あ、…
「よろしくお願いいたします」と一学年下だからなのか、すごく丁寧な敬語を使う彼女。でも何処か不安げでソワソワしているような気がする。
……あ、そっか。
一年生が二年生の教室に来るのって結構緊張するよな…。
俺も三年の所とか迂闊に近づけないっていうか。
それなら、結構勇気出して来てくれたのかな…。
わざわざお礼の品まで用意して、緊張しながらここまで来てくれたんだと思うと、すごく健気な子なんだなと感じた。
「俺も名前言ってなかったね」
「志麻せんぱい、ですよね。……その、昨日そらる先生がそう言ってたので」
「あ、あぁ、そういえばそうだったっけ？」
確かに名前を知らなければ俺は呼び出せないか。
妙に納得しながら、「これからよろしく」なんて返す。すると俺とAちゃんを交互に見つめたうらたさんが「ごめん、」と口に出した。
「今日そういえばバイトなんだよね」
「え、そうだったの？」
「うん。朝急にシフト入って。…だから、二人で行けば？」
「え、」
俺と彼女の声が綺麗に重なる。
お互いこんな結末が来るとは思っていなかったからであろう。随分とマヌケな声が出てしまった。
「Aちゃんがチケットくれた訳だし、坂田もラマンも多分今日部活だろ〜？」
「まあ、確かに」
「まーしぃが一人で行くって言うならそれでもいいと思うけど、男単体でいくスイパラって結構恥ずくない？」
「確かに」
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