【歌い手】学園メモリアル【smus】

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驚いたあの表情。少しびっくり。でも、ちょっと嬉しい。みたいなあの表情は完全に脈アリだとそらるは勘違いをしてしまっていた。



──いや……。これは、おれの圧勝かな……。──



いや。まだ、どんぐりの背比べぐらいである。言い換えれば五十歩百歩だ。



「そらる先輩も言ってたし、そろそろ行っておいで？Aちゃん」
「うん……。そうだね。委員会だし」
　──いやぁだ、まじ、むり。もう行きたくなぁい！──



歳と言うのは残酷で、小学生、いや幼稚園児くらいまでは早く行こうぜ！くらいのノリで言っていたはずの学校は段々と面倒になり、え。行かなきゃだめなの？面倒ー。学校が来いよ。なんて屁理屈に変わってしまう。

なんなら家が動け。
いや、学校が来い。

みたいな考えを学校に通っている間に何度思ったか。出席日数や溜まった課題、何とかギリギリ楽しい部活、一番楽しめたのは友達との休み時間くらい。もうその為だけに学校に行っていたみたいなもので、こういった行事にも本来全く興味はなかった。



「行ってくる」
「うん！いってらっしゃぁい」



小さく手を振るかわいいエンに見送られながらタッタッタッとテントまで走っていけば、着いたのは最後くらいだった。



──うわっ、みんなもう集まってるし……！
律儀か！！！──



「すみません。遅れました……」



ふぅと息をついた時、ギョロっと無数の女子生徒の無い目がこちらを向く。



──え。なになに。なんなの。ちょ、キモイんだけど。──



目がないのにあると錯覚してしまうほど、妬まれているというのが分かる。唯一心当たりがあるとすれば委員会の後、そらるに名指しで生徒会室に呼ばれたことくらいだ。



「下級生じゃないんだから遅れてくんなよ」
「こいつとろくて使えそうにないだけど」
「マジイラつく〜」



──だから、この世界の悪口は文字出てくるから、やめろって……！！
陰口じゃなくて、日向愚痴になってるからな！！！

日向愚痴ってなんだよ！！！！！──



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