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意識と言うか、不意打ちでレオナの膝に寝かせられるなんてびっくりする。
「……してない。…レオナのものでもない」
「あらら〜レオナさんフラレちゃったッスねー」
「うるせぇぞラギー。お前らこそ相手にされてなかったじゃねぇか」
「それは、ラギー先輩が割り込んで来たからで…」
「うわ、ジャックくんってば、オレのせいにするんスか？ひっどいなー」
頭の上で会話をする男たちを何となく見上げながら、そろそろ小腹が空いてきた頃だな…。なんて思うA。暑いし、解放させて欲しいが頭上にはレオナ。右にラギーが居て左にジャックがいる。逃げ出すのはほぼ不可能だ。
それに何の話をしているか分からないが、長いのは勘弁して欲しい。
「Aは王族と結婚してぇんだろ？」
「……うん。それか強い人」
「腕っ節なら先輩たちに負けてねぇ」
「やだなぁー、ジャックくん。『強い』って言うのは力だけじゃないんスよ？頭脳も必要だって」
「はっ。なら俺がぴったりじゃねぇか」
結婚する人のこと考えてたんだ…。でも、女の子の好みは何も一通りじゃない。みんながみんなあたしと同じタイプという事ではないという事を理解してるのだろうか？
「……優しい人が好きな人とかもいるんじゃない？」
『好き』と言う言葉を使わずに分かりやすくアピールしたつもりであった三人だったが、この腹ペコお姫様には何一つ伝わってはいなかった。
「レオナさん、この子超がつくほど鈍感ッスよ」
「そこまで来ると凄いというか…」
「まあ、狩りがいはあるな」
「……なんか、ウザ」
ピキーンとガラスのハートに矢が突き刺さる。トーンを変えずに無表情で言った彼女の言葉はやけに重い気がした。
大ダメージを受けている三人を気にも止めず、甘いもの食べたいなー…なんて他のことを考える。
「なら、Aチャンはこの三人だったら誰が一番ッスか？」
「……？なんで決めなきゃいけないの？」
「仮に！仮にッスよ」
「……みんな好きだから選べない」
今度は別の矢が胸に突き刺さる。言わいる胸きゅんと言うやつだ。
「じゃあ、結婚してぇのは？」
強くて、王族であるのが理想であるAだが、ご飯が作れて一緒に居て安心するというのも大事なポイントだ。
「……マレウス･ドラゴニアか、チェカくん…かな？」
Aの一言でますますマレウスを敵対視し、チェカが学校に来るのを阻止しようと考えた三人であった。
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