【ツイステ】Guilty7【短編集】 (ページ41)

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手首に巻かれていた鎖はレオナのユニーク魔法で砂へと変わり、解けていく。次に視界が開けた時、その場に立っているのはラギーとジャックだけだった。

「まっ、こんなもんかー」

血のついた口元を拭いながらラギーは倒した相手をゴミを見るような目で見つめる。

「大丈夫か、あんた」
「…いっ、」

心配してくれたジャックは怪我一つしていない。膝まづいて踏みつけられた足に恐る恐る触れるが、微かな感触でも痛みに変わる今、大袈裟に反応してしまった。これじゃあ歩くことなんて出来ない。

「怖かったッスよね。髪も…、」

適当に切られてしまった髪は他が長いだけあってかなり目立つ。ポロポロと流れ始めた涙は止まることなく、その表情に更に心を痛めた。

もっと早く気づいていたら。
もっと早く駆けつけていれば、もっと。
もっと。

過去を変えられる訳でもないのに、出てくるのは後悔と怒りだった。

「……助けてくれて、ありがと」

そんなに背負わなくていいよ。と遠回しにラギーに伝えるA。自分のせいで誰かが悲しむ姿など見たくなかったのだ。

「行くぞ」

ふわりと彼女を抱き抱えたレオナを先頭に着いていく二人。男の感触を忘れてしまうほど心地よい手つきと安心する匂いに包まれて彼女は静かに目を瞑った。

────…

「色が入りやすいから、少し濃くなるかもしれないわよ」

後日レオナの計らいでポムフィオーレの寮長、ヴィルの元へとやってきたAは、短くなった一束を整えてもらうために手入れをしていた。この際だから、色を入れてもいいかもね。と言われた時、サンプルの中に綺麗なシトリン色が目に付いた。

「……平気。…この色、好きだから」

サバナクローの。
助けてくれた三人の色。

だから、お願い。とヴィルに頼み込んで、丁寧に色を入れてもらう。ついでに前髪も揃えてもらい、無理やり切られたという痕跡はなくなった。

「似合ってるじゃねぇか」
「当たり前でしょう。アタシがやったのよ？」
「……ありがとう、ヴィル」

ふわりと微笑んだヴィルは礼なんていらないわ。と綺麗に歩き出した。

────…
暴食姫ちゃんが、一部だけ髪色が違う理由がこんな感じだったらいいなっていう妄想。
私の書くクズはクズ度が振り切ってると思う。