◆Fairy Gala ページ37
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「全く、アンタたちは普段碌でもない格好してるんだから」
これもそれも寮のせいね。とヴィルは二人の姫を見つめながら呟いた。クルーウェル先生のおかげで普段手にしない色の服を着飾った彼女たちは本物の姫みたいだ。
「……足がスースーする」
ラギーとジャミルと同じ銀色を組み合わせたサバナクローの姫の格好は膝より上のワンピース。裾に銀糸で刺繍を施されており、袖は妖精の羽根のようにヒラヒラと薄いオーガンジーの生地が波打っていた。衣装に合わせて、長い髪を左右で耳よりも高い位置で結んだ彼女はいつもより幼く見える。
「結構動きにくいなー…、これ、」
対するスカラビアの姫はくるぶしまであるストレートなドレスに腕を大胆にだしたアメリカンスリーブ。アンダーバストに金色のリボンでしめたその服は大人の女性という雰囲気を出している。お団子を解いて、高い位置でひとつに結んだ彼女はよりいい女を引き立てる。
「Aすごい似合ってるぞ！」
「ああ。本物のプリンセスみたいだ」
カリムとジャミルは着替えた姫の手を取って優しく笑う。先日オーバーブロットしたジャミルはあれから隠すこと無く思いを素直に伝えてくる。それに負けじと前にもましてストレートな褒め言葉を飛ばしてくるカリムに挟まれて苦笑いが零れる。
「二人もかっこいいよ」
「Aはこういうの好むのか！なら今度オレと同じものを作ってもらおう！」
「カリムは言い出したら聞かないからな。どうせなら俺と同じものも頼もう」
「あー、大丈夫。ウチ見る専で大丈夫ー」
「そんな遠慮すんなって！」
レッスンもまだ始まっていないと言うのに元気だなとスカラビアの姫を見つめながらサバナクローの姫は自分も捕まらないように距離を取れば、ヒョイっと抱き抱えられた。
「！？」
「ヴィルの奴に着飾って貰ったんだろ？よく見せろ」
「……なら降ろした方がよく見えると思う…！」
「シシシッ、逃げようとした事バレバレッスよ」
「……ラギーも近い…！」
普段可愛らしい系統の服を一切着ない姫を可愛がりたいだけのレオナとラギーは恥ずかしがる彼女を逃がさないよう詰め寄っていた。
その瞬間にバチンと鞭のような物が四人に当たり、姫から離れた隙にヴィルとクルーウェル先生は二人を匿った。
「Bat Boys. 服にシワがつくだろうが！この駄犬！」
「全く品の無いアンタ達が触れていいもんじゃないのよ」
────…
私が楽しいだけのフェアリー･ガラ その��
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