【ツイステ】Guilty7【短編集】 (ページ33)

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◆Fairy Gala ページ33

【極寒の地】
［サバナクロー × 暴食姫］

「チッ。なんで俺がこんな面倒なお遊戯に付き合ってやらなきゃなんねーんだ」

魔法石を取り返す為に選ばれたレオナは未だに不機嫌でヴィルの指導にため息をついていた。寮に戻れば極寒の地。学園に行けばやりたくもない指導が入り、唯一の逃げ場はフェアリーガラの会場で使われてしまっている。

「やめだ、やめ」

飽き性な第二王子は寒かろうと今が気ままに過ごせるならそれでいい。その安易な考えで寮へと戻った。

「ちょ、レオナさん！なんで帰ってるんスか！」
「うるせぇ。付き合ってられっか」
「今うちの寮は極寒で！」

ラギーの話も聞かずにズカズカと寮へと戻れば、北極かとでも言うような寒さだった。冬眠に入ってしまいそうな生徒たち。暖房のついた部屋に皆が丸くなって集まる中に、ユニーク魔法を使ったジャックとそれに抱きつくようにして眠るAが居た。

「…なんだ、ありゃ、」
「だから極寒でお姫様が動かなくなったんで、皆で暖取ってるんスよ。うー…、さむ、」

普段薄着で露出ばかりの服を着る彼女が帽子、マフラー、靴下までつけた完全防備の格好を見て顔が引き攣る。

「……レオナ、おかえり。もう、終わったんだ？」

早かったね。いつもより力なく言う彼女の姿を見て心が痛む。極寒が続けば続くほど、この光景を見続けなければいけないというのも正直いやだ。

「……くしゅん、」
「あーあー、Aチャン、寒いッスよね、でもこのままじゃあ暖かくなるまでに時間がかかりそうなんスよね…」

誰かさんのせいで。そう嫌味ったらしくレオナに向かって言うラギー。

「……そうなの？……ラギーも寒そう。来る？」
「え！いいんスか？？いやぁー、Aチャンは優しいなー」

ピョンピョンと飛んで入ったAの隣は暖かい。ずっとこの場にいるのだろう。ジャックのユニーク魔法のおかげで更に暖かく感じる。

「おい、ラギー戻るぞ」
「……終わったんじゃ…、」
「忘れもん取りに来ただけだ。こんな寒さ直ぐに終わらせてやるよ」

サボりを決意してここへと足を運んで来たが、逆にレオナにやる気を出させてしまった。シシシッと笑ったラギーは直ぐに彼女の元を離れてレオナの後ろを歩く。

「……二人とも、頑張ってね」

ぎゅっと暖かい彼女に抱きしめられた二人はやる気と元気を貰って学園へと戻った。

────…
その後、秒で成功させてドヤ顔で戻ってきて欲しい…。