@6/30 天月に恋する彼女 ページ2
「部屋の電気、ついてねーな、」
一度カーテン越しで確認した隣の部屋は明かり一つなく、静寂が包んでいた。
「……」
会ったら何を言おうとか、そう言うのはなくて。ただ数年前までのこの日はウチからちゃんとおめでとうを言っていた。
瞳を合わせて、用意していたプレゼントを渡して、笑顔で受け取る天月を見ていた。…それも、ここ数年はしていないな。そう考えると寂しいが、天月が他の人に求められているのは、幼なじみとして誇らしいことだ。
「…誕生日ケーキ、ね」
Twitterに載った記事のひとつに彼がLIVE終わりにメンバーやスタッフからケーキを貰って一緒に撮っている写真が数分前にアップされている。
たくさんのリプライには『おめでとうございます』の文字とLIVEについての感想が綴られている。
……あぁ、いやだな。
「LIVE行ってないけど、……リプってしていいものかな」
生憎動かせない仕事が天月のLIVEが決まるよりも決定していて、どうしても行けなかった。
…、だから、仕方なかった。
「……っ、会いたかったな…、」
三角座りのまま壁に寄りかかって、スマホを握ったまま瞳を瞑る。暗い部屋の中、孤独を味わうその日はいつにも増して辛くて、ただ、涙が零れそうになる。
「……」
ぐっと堪えて、天月も知らない適当に作ったアカウントで本心を綴れば送信のボタンの前で指が止まる。
「ははっ、……書けるのに、言えないのか、」
ウチとしてじゃなくて、違う誰かの体に乗り移れば言える言葉は本当に本心なのか。それすら危うくなってくる。
なんて言えば、伝わるんだよ。
なんて言えば、あの鈍感な男が振り向いてくれんだよ。
数十年共に居ながら、全く分からなくなってしまった感情はただ苦しいだけで、どんどん溺れていくだけだ。
Twitterの画面を送信せずに閉じて、LINEに切り替える。
『おめでと』
たった4文字の薄っぺらい祝福とスタンプひとつ。午前０時からも程遠い時間帯で一番初めにも終わりにもならない曖昧な時間帯。幼なじみなら、きっとこのくらいなのだ。
「…」
恋人なら。何かもう一つ付け加えようとして決まらない文章を書いていれば、その途中で既読がつく。
「っ、」
恋人にはまだなれないけれど、幼なじみの特権はリスナーと違って彼から直接言葉が返ってくる。
今は、まだ。それで満足しちゃっている。
ウチだけが周りより遅くって。
皆幸せなのに、動き出せないでいる。
それは多分、伝えてしまったら…
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こんぺいとう。(プロフ) - ☆Mercury☆さん» ありがとうございます！私、ついに師匠になったのですね！！分かりました！頑張ります！！ (2020年2月29日 22時) (
レス) id: 5845111e18 (このIDを非表示/違反報告)
☆Mercury☆(プロフ) - ふえー！！めっちゃ楽しみにしてました!!新しい彼女ちゃんたちが....！！一生ついていきます。師匠！！ (2020年2月29日 13時) (レス) id: a1aa4e6d76 (このIDを非表示/違反報告)
海 - 初コメ失礼いたします、ずっと前からこの小説を読ませていただいて本当に感動しています！語彙が豊富だし、こんぺいとう。の名前の通りいろんな色のお話楽しみにみています。夢への努力と小説更新大変かもしれませんがずっと待ってます！！ (2019年10月26日 20時) (レス) id: b53af4e032 (このIDを非表示/違反報告)
Mercury(プロフ) - よ、よかったぁ〜！ライブの小説が丁度あがっていたからもしかしたら...。と思いまして( ;∀;)ごめんなさい。福岡でしたか！私は北海道でした！弟さんも良かったですね！！ (2019年9月25日 20時) (レス) id: a1aa4e6d76 (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとう。(プロフ) - Mercuryさん» あ！いえ！全然大丈夫ですよ！福岡に参戦してました^^* とても楽しめましたよ◎末っ子くんもますますファンになっていました^^* (2019年9月25日 19時) (レス) id: 5845111e18 (このIDを非表示/違反報告)
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