【歌い手】恋する彼女 vol.12【完】

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いや、もう限界すぎる。半分とか言って余裕ぶっこいてたけど全然嘘。もう無理、限界。
結局誰一人として家に来てくんなかったし。
自然と伸びるのはスマホで、彼女からの連絡がないことに落ち込む。


「くっそ……、用事ないけど連絡すっか」


うじうじ悩んでても仕方ないし。切り替えれば速い男と言われていると定評があるのですぐさま彼女に電話を一本。


「………あ、もしもし？」
「もしもし、うらたん？どうしたの？」
「いや…。用ってほどのものじゃないんだけどさ」
「そうなの？ならこれから飲み会だから行ってくるね！」
「えっ、…あぁ、うん。行ってらっしゃい」


通話時間およそ40秒。過去最短記録。なにこの短い虚しい会話。くっそ、あっち楽しそうだったな！！これから飲み会！？アイツ全然飲めなくて酒弱い癖に！接待ってやつか！それなら仕方ない！！！


でも数十秒でもやっぱり楽しかったは楽しかったわけで。悔しいほどこういう時に実感する。好きなんだなって。


「…早くても明日の21時…。発狂しそう」


こんなに彼女のことが好きだったか？再確認すればするほど自分はなんて単純なやつなんだと思ってしまう。
ひとまず今日は彼女が作ったご飯を温めて食べて、洗濯して風呂はいって寝よう。もうそれしかすることない。最悪夜中眠れなかったらツイキャスでもしよう。


明日月曜日で学生組や社会人組には悪いけど、ちょっとだけ付き合って貰おう。そんな安直な考えで、先ずはご飯の準備。

ピコンとLINEの通知が来て彼女かとがっつけば、kain君からMIXが終わったよとの報告が来ていたため、別の意味で感謝をする。何十人のMIXを頼まれるkain君に3つほど一気に頼んでしまったが、それくらい彼の腕は優秀だ。
なんと言ってもオレ好み。すごい人です。



音源の確認は後にお礼をいい、レンジがなったタイミングで少し遅めの夕食を食べることにした。



「これがあと3回……、いや、考えるのやめよ」


もう普通に食ったら寝るし！！！とヤケになって食べ物にがっついた。

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