･ ページ4
どういう訳か年上だと認識されていたらしくその場にいた全員、教えていない志麻も驚いていた。
なんで次は驚いてんだよ。
「年下だけど……、何？」
「へー。意外、うらたさんって年上の女性に可愛がられるイメージやったというか」
確かに、学生時代の頃から『後輩』か『先輩』かと尋ねられたら迷わず後者を選んでいた人間で、甘えるより甘えたいタイプだ。
だから間違っては居ないけど…。
「……そりゃ、タイプはそうだけど」
「ならなんで？」
突っ込んでくる坂田の質問に何も言い返せない。既にこの時一年半年くらい彼女と付き合っていたし、そんな前のことも忘れてしまいそうだ。
……と言うか、忘れてしまいたい。
一度咳払いをして声をだす。
「話逸れてるから。戻すぞ」
「はぁーい」
「でも、意外ですねぇ。なんかうらたさんそういうの嬉しいんやと思ってました」
「……？どういうこと？」
膝上のスカートはそりゃあ好きだけど。ていうか、男なら皆好きだろ、何も隠そうともしないあの脚。一番すまし顔の志麻が一番好きだろ。
「なんて言うか…ねぇ？」
「あー！センラ、分かる！分かるよ！
あれやろ？オレの為に選んでくれて、すっごく嬉しいよ！みたいな」
「ぶっ殺すぞ」
それとなんだ、そのガラッた声。
八割ぐらいふざけているに近いモノマネに笑いながらつっこめば、釣られて笑ってしまうような馬鹿笑いが返ってくる。
「まぁ、そんなイメージやったよ？俺の中では」
「…心変わり？」
「いや、単純に…。……ライブって、男も来んじゃん」
何も男性だけのライブなわけがないため、ファンに男が居るのは充分に有り得る話で、その場で飛んだり跳ねたりするわけである。
その台詞まで言ってしまえば、ほとんどの情報は筒抜けでもう一度机に顔を伏せる。
……どうせ単純な男ですよー、だ。
「あー。まぁ、あるよね。そういう、なんて言うの？独占欲的な…、」
「ありますねぇ。それにうらたさんより年下なら尚更心配なんちゃう？」
「ほーほーほー！うらたさんも嫉妬とかするやねー！」
折角センラと志麻がオブラートに包んでいたと言うのにそれをわざわざ剥がしやがった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 183人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まつり(プロフ) - すごく心に響きました…。大好きなお話で思わず涙が…。この先もずっとずっと二人を見守っていきたいです！！！完結おめでとうございます！そして、素晴らしい作品に出会わせて下さり、ありがとうございます。 (2020年7月19日 17時) (
レス) id: dc65f13ca7 (このIDを非表示/違反報告)
ルーナ(プロフ) - いくてものすごく2人のやりとりにキュンキュンさせられています。お話なのですが彼女参観日を読んでみたいのですがよろしいでしょうか。長々と失礼しました。 (2020年7月13日 14時) (レス) id: c3b1fdc01e (このIDを非表示/違反報告)
ルーナ(プロフ) - コメント失礼させていただきます！！恋する彼女シリーズをリア友に勧められて読んでみたのですが、とても面白くて、一人一人のエピソードもしっかりとしていてとても面白いです！！個人的にはうらたさんのカップルの話しがとても好きでうらカノちゃんの性格がとても可愛 (2020年7月13日 14時) (レス) id: c3b1fdc01e (このIDを非表示/違反報告)
リセット(プロフ) - 初コメ失礼します！！ 最近このシリーズを見つけて、私好みの小説だったので、時間を見つけて、コツコツ読ませていただいてました！彼女家族参観日のお話を見てみたいです！これからも頑張ってください！ (2020年6月5日 18時) (レス) id: 29504c3438 (このIDを非表示/違反報告)
まつり(プロフ) - コメント失礼します！めちゃくちゃ面白かったです！読んでいて引き込まれました！！！なんだか、心が満たされた感じがします！これからも応援してます！ムリはせずに頑張ってください！(´∇｀)短編集も読ませていただきます！！！ (2020年1月21日 20時) (レス) id: dc65f13ca7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
