【歌い手】恋する彼女 vol.5【完】

@学パロ うらたんに恋する彼女 ページ8

※学パロ 別クラス編
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放課後の教室で机に向かう生徒なんてそう居ないはずなのに、どうしてか彼女は頭を抱えながら、シャープペンを走らせていた。


「何してんの」
「あ！うらたん！！ほかのクラスの子は『失礼します』って言わなきゃダメなんだよー？？」
「あー、はいはい。失礼してます。……で？」
「あはは……、日誌が終わりません」


黒板も教室も綺麗に整った空間の中で、完璧ではないのは彼女だけでチラリと覗いた日誌はまっさらだった。


「は？……ったく、もう一人は？」


一クラスに40人程度。
ほぼ一日雑用として扱われる日直は男女の二人ペアになって一日の仕事をこなしている。
クラスが違えど、これは全学年共通だったから相手が欠席しない限りは一人はほぼない。


まあ。放課後男女が二人っきりってのも納得いかないけど。


好きな人ならまだしも、苗字の順番で決まったペアなんて今後一切必要のないものだ。



「あのね！今日久しぶりのデートなんだって！」
「オレらもこの後デートなんだけど」
「えへへ。わたしって愛されてるね！」
「早く終わらせろ、ばか」


口だけ動かしても時が進むばかりの教室。少し時間がかかりそうだな。なんて思いながら彼女の前の席に後ろを向く形で座る。


「……」


必死にペンを走らせる彼女。
角張ることの無い小さな丸い文字。

漢字なんてほとんど使っていないバカ丸出しの日誌に担任がどう指導しているのかは知らないが、ただ。

同じクラスだったら毎日こんな感じだったのかなと思う。

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