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静かな部屋の中でチラチラとウザいくらいの視線を感じるが、華麗にスルーして雑誌を読み漁る。
「ね、うらたん」
「……」
「無視しないでっ!!」
はあ。
一息ついて、後ろでゴロゴロ寝転ぶ彼女を睨みつけるように振り返る。
「なに」
「わたしが不機嫌な理由とか聞かないの?」
「聞かない。興味無い」
「辛辣ッッ!」
どうせいつものくだらない理由で喧嘩なんかしたんだろうな。と思いながらまたピラピラと捲る。
あ、このバッグめっちゃかわいいんだけど。
「ねぇーっ、うらたん!」
「あー、うっさ」
「今、忙しい」
これ以上何を言っても無駄だと察した彼女は、ようやく諦めて別の部屋へと向かう。
♢
「わたしに優しくしたって、バチは当たんないけどなーっ?」
「いい?次に会ったら仲直りすること」
廊下の先にある部屋から聞き覚えのある声がする。
少し眠そうな気だるげな声にチラリと様子を伺えば、彼女ちゃんに慰められているさかたんがいた。
「っ、何この格差!!!」
涙を流さずには居られないこの空間で、思わず大きな声を出す。
「!?なんか知らんけど、よし、泣いた!」
「こら、さかたん。ごめんなさいでしょうが」
「クソっ、くそう!仲良しカップルアピールしやがって!!うらたんだってなァ、恥ずかしいだけで、本当は(少しだけ)イチャイチャするんだぞっ!」
「ふっ、仲良しカップルでおれ達に勝とうと?これだけの差を見せつけたのに?」
「っ、こうなったら、勝負だっ!!」
こうして、両者譲れない『仲良しカップル』選手権が始まってしまった。
♢
「……うらたさん、ごめんなさい。ワタシには止められなくて」
「いや、俺のも迷惑かけて悪い、」
「そんなことより、」
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結月(プロフ) - 私の存在を少しでも知っていただけていることに凄く恐縮です…。お忙しい中、お返事ありがとうございます。アンケートも必ず投票致します!作者様の物語が大好きです。こちらは返信不要で大丈夫です´`* (2018年11月26日 14時) (レス) id: 286dc51d91 (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとう。(プロフ) - 結月さん» コメントありがとうございます。短編集の方にも毎回覗いて見てくれてますよね?嬉しいお言葉ありがとうございます。各シリーズの方はまた詳しくお知らせしますが近々アンケートを取りますね^^*最高のお話を届けられるよう、頑張ります! (2018年11月26日 13時) (レス) id: 5845111e18 (このIDを非表示/違反報告)
結月(プロフ) - そして、あとがきにあった、各シリーズの小説、、物凄く読みたいです。作者様の書く物語が本当に好きなので、大賛成です!!その事をお伝えしたくて、本日はコメントしました。2回に分けてのコメント大変失礼致しました。これからも応援しております!結月。 (2018年11月26日 12時) (レス) id: 286dc51d91 (このIDを非表示/違反報告)
結月(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します。ずっと陰ならが応援していました。初めに、完結おめでとうございます!素敵な物語の数々に、すごく幸せな時間を過ごせました。Vol.6も140字もこれからの更新楽しみです!(続→) (2018年11月26日 12時) (レス) id: 286dc51d91 (このIDを非表示/違反報告)
I8JghE0raXSJg8d(プロフ) - 全然大丈夫ですよ!!坂田さんの本当にすごいと思います!ありがとうございます! (2018年11月26日 0時) (レス) id: d98bcf15c5 (このIDを非表示/違反報告)
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