【歌い手】恋する彼女 vol.5【完】

【短編】あしたあめよほうし / 天月 ページ13

「明日、雨が降るよ」

家が隣同士の同い年の女の子が放課後、遊ぶ予定をした僕にそう告げた。

「？明日の天気は晴れって言ってたけど？」
「……明日、雨が降るよ」

そう言って帰る女の子。
次の日、雨が降った。





「来週、おばあちゃんが倒れちゃうんだ」

雨に濡れた少女が家に来て、泣きながらおれにそう告げた。

「…そんなこと、言ったらだめだよ」
「……うちのせいで、倒れちゃうんだ」

そう言って、縋り泣く少女。
その週、おばさんが倒れた。





「いつもいる猫、今度子猫を産むみたい」

高校に入った女子が前の席に座って、中庭で寝転ぶ猫を指さしてオレにそう告げた。

「オス？メス？」
「……メス。三匹産まれるの」

そう言って、微笑む女子。
……そういえば昨日子猫が三匹生まれたんだっけ。






彼女の告げる言葉は、初めこそ信じていなかったけれどどれも当たっていたから、それとなく信じていた。

いつ日か年は重ねて縮まる距離の中で彼女が言った。






「明日、結婚するよ。ウチたち」

隣に座るAが寄りかかりながら、俺にそう告げる。

「いつもの未来予知？」
「……天月は、したくない？」

そう言って俺を見つめるA。

いつもと違う返し方に微笑みながら、席を立つ。



「どこ行くの？」
「市役所。結婚届書かないといけないでしょ」



その日から、苗字が同じになった。

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「幸せになろうね」
そう言って、君が笑った。
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いつもと違う感じで書きました。
なんか、流行ってますよね？
数ページで完結もののお話。
少しだけ読みました。
あんなに泣かせてくるなんて、聞いてない。

同じようなの作ってみたけど、なんか違うね。

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