志麻くんに恋する彼女 ページ6
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【 酔った彼女 】
お酒で潰れちゃう話。
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志麻カノ【強気彼女】
■お酒は弱い方で、一口で記憶が無くなっちゃう。
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……記憶がない。
ここ数日の話ではなく、昨日の昨晩、ビールを三本飲んだ辺りから綺麗さっぱり記憶が飛んでしまっている。
酷い頭痛に悩まされながら、辺りを確認すれば週に一度来るか来ないかの彼の部屋にいた。
「あ、起きた?」
「………え、なんでいるの?」
「いやここ俺の家だし」
ぐるぐると回る彼の言葉を頼りに、少しでも記憶を戻そうと頑張るものの、何一つ覚えていない。
と、言うか。
どうやってここに来たんだ。
昨晩は仕事の飲み会で、会社近くの居酒屋で飲んでいたはず。
「…志麻くん。因みになんだけど、私ってどうやってここに来たんだっけ…?」
「は?それも覚えていないの?どんだけ飲んだんだよ」
そう言って、コップ一杯の水を渡す。「ありがとう」とベットに入ったままグラスに口にして常温の生温い水を流し込む。
「で?どこまで覚えるの?」
「………」
「まさか、何一つ覚えていないとか言わないよな」
「………、そんなはずは」
昨晩の自分の馬鹿さ加減を呪いたい。正直頭の片隅でそんなことを思っていた。編集中、パソコン画面ばかりを見ていたせいか、少々疲れて集中力が切れかかった頃、なり続くインターフォンの音に気がついた。
(ったく、誰だよ。こんな時間に)
時計を確認すれば深夜二時。
一気に眠気が襲う志麻はさっさとインターフォンを止めようと画面を見た瞬間急いで玄関の扉を開けた。
「あぁ、志麻くん見てなかったでしょー?」
金髪ショートに整った顔。
呂律の回らない口調に、カッターシャツから除くふくよかな胸。
黒のタイトスカートから見える足はおぼ着いて、立っているのもやっとの状況。
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