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╍ ╍ ╍
痛いところをつかれてしまった。
「何探してるの?」
「ぇ、まふまふさん、一緒に探してくれるんですか!?」
「だって一人じゃ心配だし」
「きゅん」
もう、トキメキが口からこぼれるわ。
なんだ、このいい人。
根は優しいまふまふはここで問題でも起こしそうな少女(しかも、うらたぬきの彼女)を一人で置いておくことなんて出来ない。
「ふざけるなら帰るよ」
「わーわーわー!待ってくださいよー!」
彼女の前でしか甘えん坊にならないまふまふは、冷たい態度で彼女を置いていこうとする。
「この桃のケーキ探してるんですよ!」
「桃か…」
「うらたん、誕生日だから。お祝いしようと思いまして、彼女として!」
「あ。向こうの方らしいよ」
華麗にスルーした会話に納得のいかない彼女がキーキーと文句を言う。
(……うらたさん、彼女のどこを好きになったんだろう)
大分失礼だが、あくまでまふまふの意見であり貶しているわけではない。
そもそも彼女一筋のまふまふにほかの人など眼中にないのだが。
「最近有名なんですよ?女の子に人気でー」
「ホント!?」
「え。あ、はい」
急にがっついてきたまふまふに思わず1歩下がる。
彼女のために甘いデザートを買いに来たまふまふは速度を早くする。
「あった!」
わぁ!とショーケースに並ぶケーキを見つめる彼女。その姿だけはなんだか可愛く見える。
「すみません。この桃のケーキ2つずつ別で箱に詰めて貰えますか?」
手馴れたまふまふは定員さんに注文し4つ分のケーキの支払いを済ませる。
「え、そんな悪いですよ!」
「いやケーキのこと教えて貰ったし。それにうらたさんにもよろしく言っといて」
それじゃあとスマートに帰っていった後、入れ替わるようにうらたぬきがやってきた。
「あ、なんだ。ちゃんと買えてるじゃん」
「まふまふさんに手伝ってもらって…」
「え。まふまふ来てたの!?」
入れ違いになったか!なんて言いながら彼女とともに歩き出す。
「まふまふさんいい人だねー」
「なんだかんだね」
「帰ったらケーキ食べようね!」
「俺の誕生日より、ケーキがメインだろ」
「そんなことないよー!!」
「どうだか」
誕生日だけあって機嫌は悪くないうらたぬきは、今日くらい素直になろうと、彼女の手を掴んだ。
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陽光 - 記念小説いいですね〜。今回のとか和む〜。どのカップルも好きなんですけど、めいちゃんカップルはずっとみていたくなります。楽しいカップル素敵。どのカップルも好き!ぺいと先生も好き!やっぱりみんなすき! (2020年3月5日 13時) (携帯から) (レス) id: 17b8cf45ac (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとう。(プロフ) - 湖宵さん» ありがとうございます。本来ならミニ小説にしたかったのですが、こんな形で出させて頂きました。ドキドキして頂けたのなら光栄です。 (2019年2月26日 23時) (レス) id: 5845111e18 (このIDを非表示/違反報告)
湖宵(プロフ) - 100000hit記念の小説読みました!低クオリティーと言ってますが全然そんなことないですよ!とってもドキドキしました!これからも楽しみにしています (2019年2月26日 23時) (レス) id: 7326535de9 (このIDを非表示/違反報告)
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