さかたんに恋する彼女 ページ28
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【 ショッピングモール 】
お忍びデート。
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坂カノ 【貧乏性彼女】
■秘密はあんまり好きじゃない。バレる可能性大だから。
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「こっちと、こっちならどっちが好き?」
休日のオフ。
たまにはショッピングにでも行こうかと2人の中で結論が出て、バレない程度の変装をしてやってきた。
パステルカラーやふんわりとボリュームのある服が並ぶ店の中で見つけた、ブラウスを二着手に取り坂田に聞く。
交互に自分に服を当てながら問いかける彼女。
「うーん。どっちも似合ってるけどなー」
素直な感想だが、正直手に取っている2つの違いはあまり分からない。
同じデザインで、同じ白。違う所といえば丈くらい。
(どっち選んでも同じような気がするけど)
服のセンスはまあまあだが、これが男女の価値観の違いなのか。イマイチ分かってはいない。
「なら、こっちとこっちなら?」
「え、さっきの2つはもういいの!?」
「うん。反応イマイチだったから」
(目ざとい!!!)
今度はブラウスからスカートへと変え、ミニスカートとロングスカートを見せつける。
「あ、短い方かな」
「……なら頑張るね」
「何を!?」
なんとなくだが今日の彼女とは話が噛み合っていないと思う。
結論を出した瞬間、またスカートを直し今度は違う服を取ってくる。
「それ、欲しいの?」
「ううん。欲しくはないよ」
「!?」
ますます分からない。
元々彼女は不思議系だが、もうここまで来れば謎だ。闇だ。
「さかたんがどんな服着たら喜ぶのかなーって思って」
「……」
「会った時に可愛いって言ってほしいから。研究してたの」
「可愛い」
「?あ、このワンピース?」
「じゃなくて、」
優しく彼女を引き寄せて耳元で彼女だけに伝える。
少し距離を取って彼女の顔を確認すれば、頬が真っ赤に染まっている。
そんな表情に満足しつつ、隠れるようにキスをした。
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「今のAが、すげぇ可愛い」
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