【歌い手】恋する彼女 vol.1【完】

ルスに恋する彼女 ページ14

╍ ╍ ╍



【 お風呂上がり 】
　眠る準備。



╍ ╍ ╍



luzカノ【受け身彼女】

■お風呂は基本別々で。月に二三回一緒に入るかなって感じ。


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「何見てるの？」



お風呂から丁度上がってきたluzは、染めたのにも関わらずサラサラなその髪をタオルでガシガシと乱暴に拭く。



「貸して。髪、乾かすから」



両手を伸ばし肩にかけたバスタオルに手をかける。
痛まないように、優しく動かせば、鼻で笑う声が聞こえた。



「くすぐったい」
「なら自分でやってよ」
「Aにやってもらうの好きやから。…で？」



彼女の両手首を握りじっと瞳を見据える。



(……逸らしてはくれないか、)



綺麗な瞳から、テーブルに置いたスマホに目を動かす。



「…実写のPV観たよ。ルス、スゴくかっこよくてびっくりしちゃった！」
「……本気で言ってる？」



掴まれた手首がだんだんと痛みを感じ始める。力を入れれば入れるほど、解けないその手に恐怖すら感じる。



「い、ってるよ」
「なら。目、見ていッて？」
「…っ、」



全てを見透かされているようで怖い。
自分の弱い部分まで全部を見られているようで嫌になるのだ。



「スゴく、カッコよかった」
「んー。そういうの聞きたくない」



握った手を引いて顔を引き寄せる。
腰に手を回す仕草があまりに自然で息をするのも忘れてしまいそう。

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