彼氏の意地 ページ41
あのお店のプリンは美味しかった。
「特にあれが美味かったな」
「カフェオレプリン?」
「せやせや」
私は四個目を頼んだ豆乳プリンが美味しかったな。
けど、やっぱりプリンじゃ足りないようで。
今は食休みにデパートの中をぶらぶら歩いている。
治の事情で同じ学校の女子に会うのが嫌な為、
駅を跨いで少し遠いところに来た。確かに出先でも
キャーキャー言われたら殴るわ。私だったら。
「ここらへんに美味しい定食屋さんあるかなぁ」
プリン専門店で結構話し込んじゃったから、
今の時刻は15:00を回る。電車の時間もあったから
次のお店入るには良い時間だけど。
「A」
治は私の手を引っ張って言う。
「あのお店入らん?」
そこは雑貨屋さんだった。
キラキラしてて、暗めのシックな雰囲気。
「…治ってこう言うのが趣味なの?」
「ちゃうわ、女子はキラキラ
したもんが好きなんやろ?ほら行くで」
ああ、私を気遣ってくれたのか。
中に入るとアクセサリーや、鞄や、沢山あって。
「あかん…全く分からん……。
なんか欲しいもんあったら言えや、買ったる」
なにをそんなに気を張って。
「別にいいよ、このくらいの値段なら買えるよ」
「分かれや、彼氏はこういうとこで男見せるんやぞ」
とドヤっとした顔でキラキラこっちをみられても。
「…ふっなら遠慮なく」
なんだか可愛くて、笑みが溢れた。
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作者名:レモンさん | 作成日時:2021年1月6日 17時