本当のところ ページ29
「……はっなにそれ」
頭おかしいんじゃないの。
「最初は嫌がられたんや、けど、……っでも
キスはそれっきりや、侑は日和が好きなまま。
悲しいところはお互い支え合ってたんや」
ばっかじゃないの?
「それって、
あんたがミヤアツたぶらかしたってことでしょ?
何正論ぶってんの、あんた間違ってるよ??
例え私を泣かせたいくらい恨んでても、
ミヤアツは全く関係ないでしょ?謝れよミヤアツに、
事をややこしくしたのはあんたじゃないかっ!!」
「あんたが倫太郎と仲良うするんが悪いんや!!
せやかて、私は侑にキスなんかせん!!!
私が好きなんは倫太郎やっ!」
そう言い張るこの小さく醜い物体に、
私は平手打ちを交わした。
「なにすんねん…あんたやって倫太郎と浮気
したやんか、今度は治か?大概にしい…や…」
眼鏡のネジが緩いのか、地面に落ちた。
途端、視界はぼやけて何も見えないけど、
私は話を続けた。
「倫太郎は私と浮気してない。そう見えるように
本人が直々に協力要請したの、その理由だって
あんたがミヤアツとキスしてたのを見たからでしょ
倫はきっと今もあんたが好きだよ、大好きだよ。
けど別れて正解だよ。あんたが侑としなければ、
倫はこんなぐちゃぐちゃにならなかったし、
ミヤアツだって、治と仲悪くなったりしなかった。
全部あんたのせいだよ、自覚してよ。
あんたが悪いの、全部。それでも私が悪い?
鏡で自分に問いかけてみ?分かるから」
一個人の私情によって、乱された真実。
「…っっもうええ!!」
ホースを私に投げ付け、彼女はこの場を去った。
…痛いんだけど。
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作者名:レモンさん | 作成日時:2021年1月6日 17時