それは確かですか？ ページ19
二年一組に居た。
いや、正確には治君の机の前の席に居る。
視線が痛い。
「なに、なにもここに居なくて良いじゃん」
あたりを見渡すと、あろう事か、倫と
ミヤアツの彼女の足立日和が話している。
「…あの二人、仲良いの？」
「さあな、興味あらへん」
一瞬、その視線に儚さを感じた。
「…なんか、彼女交換、って感じ」
「お互いに意地張ってんとちゃうんか」
なんだか、この話は続けちゃいけない気がして。
「…あ、それ美味しそうやわぁ。
やっぱり部活生はお弁当やんなぁ」
「せやろ、美味いで？」
無理矢理っぽかったか、それでも話にのってきた。
すると、
「サム！サムー！！！大変や！！…て、あ"！？」
片割れが走ってきて、私を見るなり豹変した。
そんなに嫌わなくてもいいじゃん…。
「…なんやツム、人の彼女連れおって」
確かに、後ろに凛ちゃんが居たのに気付いた。
倫は…こっちを見向きもしない。
なんだか、むず痒くて。
「いや、何でお前がおんねん。
お前ら接点ないやんか」
うんうんなかったよ「俺ら付き合うてるし、なぁ？」
………………。
「「「「はぁぁぁ！？！？」」」」
「エ？イマナンテ？」
私ですら、ついに日本語を忘れてしまった。
「どういうことや「どういうことだよ」おい角名！」
倫が私を睨みつける。
私は怖くなって、下を向いた。
「せやから、付き合うてるって」
治君は私の肩を抱き寄せた。
その時に感じた、淡い温もりに
何故か期待してしまった。
「……せや、付き合うてる」
もう、ごっこは辞めた。
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作者名：レモンさん | 作成日時：2021年1月6日 17時
