プロローグは盛大に ページ1
きっかけは、彼女の浮気。
「A、俺と協力して」
幼馴染の、復讐の手伝いをすることになりました。
「私、関係ないと思うんだけど」
そう言ったって、彼は当たり前のように言うの。
「お前は"そーゆう"事しても、
俺のこと好きにならないだろうから」
何見透かしたこと言ってんの。
「まぁ、あながち間違いではないけど」
階段に座って足をゆったりさせる。
そんな私達の視線の先、向かいの教室。
気持ち良さそうに、唇を重ねる二人。
角名の彼女と、もう一人。
「倫、あれは相手が悪いよ」
「有名人だからって調子乗ってんだよ」
虚しく、証拠を写真に納める彼。
その瞳には微かに怒りが灯っていた。
「私の初めては、あんたにあげないからね」
「あれ、前の彼氏ともう体験済みかと思った」
「私だって女の子よ、キスだってしてない」
「そのわりには」
そのわりには？
「何、言ってみなさいよ」
私は彼が次に言う言葉なんて解っている。
思わず、口角をあげた。
それを言うのを諦めたようだ、彼は溜息を吐いた。
「はぁ___こんな性悪じゃなくて、
純粋無垢な女が幼馴染が良かったわ」
「失礼ね、謝りなさい」
私に、慈悲なんてないの。
「宮侑も、大変ねぇ」
今にも続く二人の行為を、私達はただ眺めている。
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作者名：レモンさん | 作成日時：2021年1月6日 17時
