short hair *47 ページ47
貴方がポカンと困惑した顔のもお構いなしに
ペットポトルを持っている手を丸めて貴方の腕をぽかぽかと叩く。
「私のこと好きじゃないんだって思ってたからもう髪切っちゃったのに。クロのバーカバーカ」
「別に。ショートも好きだし。」
少しの沈黙の後に、貴方が言った言葉に
私はただ納得すればいいのだけれど、
ちゃんと言い返してしまう。
「嘘つけ！前に夜久くんに絶対ロングの人のが
可愛いって豪語してたくせに」
「…ソンナコトイッテナイデス。」
「おいコラ、顔コッチ向けろ」
こちらにゆっくりと目線を戻してから、
諦めとやけくそが混じったような表情になって
「性癖と好きになる人はまた別なんだよ。
悪いかよ！！！」
なんて貴方は開き直って言い返す。
本当は嬉しい言葉なのに、私の耳には今はただの売り言葉だ。
「悪いよ!!私、完全脈なしなんだなって思ってたよ。」
「おまえそれは鈍すぎだろ
はぁぁ…まあ…知ってたけどさぁ。」
貴方はまた大きな溜息を吐いて頭を抱えたけれど、溜息がつきたいのはこっちだ。
「じゃあ、なんでそっちから告白してくれないの思わせぶりな態度とってごめんって謝られたら、振られたと思うのが普通だよ！私じゃなくてもさ！」
「…だって、もう嫌われてる思うだろ
泣かせるし、軽く避けてただろ俺のこと
あれ落ち込むからな。」
申し訳なさそうな顔をした後、
わざとらしく不満げな顔をする。
確かに、避けてたけれど
それは貴方を嫌いになったからじゃなくて、
嫌いになってしまいたかったからだ。
「それに、今なら部活も進路も落ち着いたので、付き合いましょうとか、そんな都合のいいこと言える訳ねえだろ。」
「言ってよ、馬鹿!!」
無茶苦茶なことを言ってることくらい自分でも分かる。
本当はこんな言葉じゃなくてもっと言うべきことがたくさんあるはずなことも知ってる。
でも、その上で
「クロが、こんな可愛くない私のこと
好きになると思わないじゃん!!」
もう、傷つきたくないから
貴方の気持ちを疑ってしまう。
そんな私なのに、なんで
「Aはちゃんと可愛いだろうが!!」
そんなにも貴方は私を甘やかすかなぁ。
赤面した貴方に言われると
私は私との約束を何度も破ってしまう。
「なんで、そこで泣くんだよ。」
「ごめん。」
「いや、責めたいわけじゃなくて…」
下を向いていても貴方の顔が困っているのが分かった。
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仁(プロフ) - 大好き。マジありがとうございました！！！！！ (10月14日 18時) (
レス) @page50 id: 270b34836a (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - クロさんじゃなく夢主さんはうちと結婚しましょう（（）） (7月30日 12時) (レス) @page50 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
ドク(プロフ) - 尊い…好き…ナニコレ、最高でしかない…！！！キュンキュンが止まりません、マッハです！！神作ありがとうございました！！！ (2022年7月14日 16時) (レス) @page50 id: f0778d3186 (このIDを非表示/違反報告)
LUCA(プロフ) - とても素敵な話でした。後半から感情移入してしまって、泣いちゃいました！ありがとうございました！！ (2022年6月26日 17時) (レス) @page50 id: 26acec27f5 (このIDを非表示/違反報告)
たま - 普通に泣きました！！ (2022年5月12日 15時) (レス) @page50 id: 3f769884b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：金平糖 | 作成日時：2018年8月14日 22時
