失恋したので髪を切ります。【黒尾鉄朗】

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「おーい、お昼食べないのか？
百瀬が戸惑ってるぞ戻ってこいー」


お昼休みの始まり
ももが助けを求めた夜久くんに
呼び起こされ現実世界へと帰ってくる。


「ごめん。古典の授業話が脱線しすぎてて、
ぼーっと考え事をしてた…」

「ん、どういたしまして。あんまり思い悩むなよー」


どういう意味だろう？
古典の問題そんなに難しかったのかな。

ももにもごめんねーと言うと、
Aちゃんフリーズしてて
びっくりしちゃった と笑ってくれた。

お昼ご飯を食べるために校庭に出ると
青空が広がっていていい天気だった。



「Aちゃんって好きな人とかいないの？」


ももがタコさんウィンナーを頬張ってから私に尋ねる。
うん、可愛い。


「恋バナかー、私そういうの疎くて…」



ももは私に好きな人がいることを知らない。

だってももは優しいから。私が好きな人
を教えたら応援してくれるだろう。

だけど私がももの恋の邪魔になるなんて絶対に嫌なんだ。

クロがもし、ももを好きなら私は
全力で応援は出来なくとも
感情に左右されて行動をしたくなんかない。


…なんて強がりで、もしかしたら

ただ、怖いのかもしれない。

私の知らない女の子にクロをとられて

今までみたいな関係が壊れちゃうのが。


ももみたいに理解のある、可愛い女の子と
付き合ってくれた方が気が楽だなんて

最低なことを考えているだけかもしれない。

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