彼が優しい日は ページ6
.
「お疲れ様です」
「ありがと〜」
来店と同時に席に置いてくれるお水を口に含む。その一連の動作をジィと見つめる店員、安室さんその人。
「・・・なーに?」
「ちょっと失礼しますね」
そう言うや否や、私のおでこに手を当てて少し顔を歪めた。
「安室さんの手ひんやりしてて気持ちぃ…」
「貴方 熱あるんじゃないですか?」
「そう言われればフワフワする気がするかもしんない」
「馬鹿は風邪を引かないって、あれ迷信なんですね」
「…どういう意味かな??ん??」
安室さんに安定の暴言もいただいて、甘いものを食べれる気がしないし、梓さんも心配そうなお顔をしているし。…引き際も肝心よね。
「熱があるかもって分かったら急にしんどくなってきた」
「せっかくだけど、今日は大人しく帰って寝るね」
二人にごめんね、と謝って立ち上がった瞬間
「ありゃ?」
「あっ、ぶないな!」
か弱い女の子のようにふらついた。
あ、これマジでダメなやつ。
「ご、ごめんなさい」
危機一髪 安室さんに手を引かれて持ちこたえたのは良かったけど、そのまま胸にダイブしちゃったのはいたたまれない。
「梓さん 少し抜けてもいいですか?」
「えぇ。今は人も少ないですし、ちゃんとAさんのこと送り届けてくださいね!」
グッと親指を立てる梓さん。
「え、待って?なんか送ってくれる雰囲気だけど、大丈夫だよ一人で帰れるから」
「はいはい、病人は黙っててください」
・・・このあとめちゃくちゃ看病してくれた。
.
続く お気に入り登録で更新チェックしよう!
最終更新日から一ヶ月以上経過しています
作品の状態報告にご協力下さい
更新停止している| 完結している
←私の心が痛いよ
4人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作成日時:2018年4月21日 1時